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波の音が消えるまで

2017 0204代々木公園 2017-02-04 14-24-40 2017-02-04 14-24-043



  久し振りに文庫本3編のやや長編を読んだ。     
  いつも、途中引っかかった箇所はページを折っておくことにしている。
  全部読み終えた後で、
  たまたま3冊に一か所づつのそれらの折られたページを見返してみたが、
  どこだったっけみたいな・・・・・。
  何とも情けない有様ですが・・・。

  ”僕”に多大なる影響を与えた3人。
  そんな出会い、なかなかあり得ないところが現実、
  いや待て、自分の行動範囲が狭かっただけの話か、
  今頃になって気づいても…。
  否、遅くない。
  やっぱり、遅い。
  


  「人は変化を当てることはできない。だが、変化しないことを当てることはできる。
  いや、変化しないということしか当てられないと言ってもいい」
       
   沖で何をしているのかと僕は訊ねた。そう質問され、ジミーは思わず海の声を聞い
  ているのだと答えた。答えてみて、初めて、自分が海の声を聞こうとしていたのだと
  いうことがわかった。そして、生まれてからずっと傍にいた海をはなれてしまったこ
  とが、自分にとってどれほど愚かなことだったかに気がついたのだという。さらに、
  海の上にいるだけで幸せそうな僕と一緒に沖でたゆたっていると、僕を通して海の声
  が聞こえてくるように思えてきたのだともいう。 どんな、 と僕が訊ねると、ジミ
  ーは言葉ではうまく表せないが、 そのまま、 そのまま、 と言ってくれているよ
  うな気がしたのだという。

  「いろいろ存在する表現の形式の中で、写真というやつが最も中途半端なものなんだ。
  人は誰もが罪を犯している。無罪の奴なんていない。文学は自分のその罪を告白する
  ことができる。絵画も、音楽だって自分の罪を描けないわけじゃない。でも、写真は、
  他人の罪を撮ることはできても、自分の罪を映し出すことはできない。いつもこちら
  側にいて撮るだけの、卑劣なものなんだ。俺は、自分を罪のない者として写真を撮り
  つづけていることにうんざりしている」

                    「波の音が消えるまで」    沢木耕太郎
      




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